会社設立Q&A

Q1:株式会社と合同会社は何が違いますか?

A1:合同会社は、平成18年に会社法が改正された際に誕生した新しい会社形態です。
運営していく上での決定な違いは、株式会社は「株主」と「経営」が分離できますが、合同会社は、分離できません。
例えば、株式会社の場合は、出資者(株主)はAさん、代表取締役(経営者)はBさんということが出来ますが、合同会社の場合は、出資者はAさん、代表社員はBさんという事が出来ません。
この場合はBさんの出資がないとBさんが代表社員にはなれません。
また設立のコストについては、合同会社のほうが安く設立できます。
反対に社会的信用に関しては株式会社の方が高く、融資など受ける際も影響することがあります。
プライベートカンパニーではなく、一般の事業会社で会社を発展させたい人は株式会社を設立して事業をスタートした方がよろしいかと思います。

Q2:決算期はいつが良いですか?

A2:決算期にはついては、会社の繁忙期や売上が増加する時期を外して決定した方がよろしいかと思います。
決算の月に多額の利益が計上されて、納税に苦労することがないように検討することが必要です。
期首に多額の利益が計上された場合は、決算まで1年間かけて着地をコントロールすることができます。
また、消費税の特定期間の判定により第2期から消費税の課税事業者にならないように検討することも重要です。

Q3:会社を設立すると、「社会保険」には加入しないといけませんか?

A3:原則として社会保険はすべての法人が強制加入となります。
正社員はもちろん、パート・アルバイトでも1週間の労働時間が正社員の4分の3以上の人は加入の必要があります。
例外的に加入義務を満たす人がいない場合(例えば、非常勤の役員や勤務時間を満たさないアルバイトのみに給与を支給しているなど)は、加入が不要なこともあります。

Q4:創業融資はいくらくらい受けられますか?

A4:開業する人が受けられる融資は、2つしかありません。
「日本政策金融公庫の創業融資」と「市区町村の制度融資」になります。
どちらも自己資金の2~3倍程度が限度になります。
「日本政策金融公庫の創業融資」については、当センターにてご相談・面接の際の立ち合いなどのサポートが可能ですので、ぜひご相談ください。

Q5:妻を取締役にしたほうがよろしいでしょうか?

A5:奥様を取締役に就任させるメリットしては、実際に経営に従事することにより、ただの社員の場合よりも多額のお給料を支給することが出来ます。
ただ、何も仕事をしていない場合は、お給料を支給することは出来ませんので、注意が必要です。
またゆくゆくは役員であった期間に応じて、役員退職金を支給することも出来ます。
デメリットとしては、お給料が役員報酬に該当するため、事業年度の途中で報酬額を変更することは出来ず、1年間を通して同額を支給(定期同額給与)することになります。

Q6:会社設立後は税理士さんと顧問契約は結んだほうが良いでしょうか?

A6:会社設立した後は、倒産せずに永続的に発展し続ける経営を目指して頂ければと思います。これを「継続企業の前提」と言います。
長く会社を経営していると、伸びる時期、停滞する時期いろいろな局面を向かえると思いますが、その際に財務・税務の面から親身にサポートする税理士は必ず必要だと考えております。

Q7:サラリーマンです。会社を設立すると勤め先にわかってしまいますか?

A7:現在は個人のマイナンバーのように、法人にも「法人番号」というものがあります。
国税庁の検索サイトで誰でも、閲覧できるようになっています。
http://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
例えば住所で検索すると、その住所にある法人が複数出てきます。
(この中には過去に誰かが設立した法人もあれば、ご自身が設立した法人も出てきます。)
その法人の役員にご自身が登記されているかは、法務局へ行って登記簿謄本を取らないとわかりませんが、登記簿謄本は誰にでも取れます。

質問に戻ると、勤務先が把握しているご自身の住所を本店として法人を設立し、その法人の役員にご自身がなっている場合(株主は出てきません。)は、可能性は限りなく低いですが、勤務先にわかってしまう可能性があります。
勤務先の人がご自身の住所で法人番号を検索し、その法人の登記簿謄本を法務局へ取りに行き、なおかつご自身が役員になっていた場合です。

Q8:消費税はいつから課税されるのでしょうか?

A8:原則として消費税は、「基準期間(2年前)」の売上が1,000万円を超えた事業者がその年納税義務者となります。
つまり、新設法人は第1期の売上が1,000万円を超えた場合に第3期から消費税の納税義務者になります。
この例外として、「特定期間」というものがあり、事業の開始から6か月の売上高が(売上高の判定に代えて給与の支払い額での判定も可能です)1,000万円を超えた場合は、第2期より消費税の納税義務者となりますので注意が必要です。
「特例期間」に該当しないためには、第1期を7か月以内にするなど工夫が必要です。

Q9:赤字だと法人税がかからないのは本当でしょうか?

A9:赤字の場合の納税額は、均等割の7万円のみ(資本金の額や従業員数に応じて増加)になります。
また赤字になった場合の欠損金は9年間繰り越しが可能です。

Q10:定款に記載しなかった事業を行っても大丈夫でしょうか。

A10:税務的な観点からは、益金(収入)かどうかが論点になりますので、基本的には問題ございませんが、今後も永続的にその事業を続けるならば、定款の変更をした方がよろしいかと思います。

Q11:資本金の金額は、会社の口座に入れた後は引きだすことは可能でしょうか?

A11:資本金の払込は、会社設立の手続きの過程で個人の口座でおこないます。
つまり会社設立の手続き上は、一瞬その金額があれば大丈夫なことになります。
その後、その金額を会社の口座へ移動しない又は引出してしまった場合は、それ自体に問題はございませんが、会計上、役員(ご自身)に対する「貸付金」として処理をすることになります。

Q12:会社設立前にかかった経費は、費用となりますか?

A12:会社設立前の費用は、創立費又は開業費として、繰延資産としていったんは資産に計上しますが、税法上、任意償却が認められていますので、自由なタイミングで費用とすることができます。

Q13:個人事業主が法人化した場合のメリットを教えてください。

A13:法人化した場合のメリットを記載します。

  • 法人税率が、国際的競争力の観点から減税傾向にあり、今後さらに減税されることが予測されます。逆に個人の所得税は増税傾向にありますので、同じ事業を法人化しただけで、節税になる場合があります。
  • 消費税について、原則として2年間は免税事業者になることができます。
  • 社会的な信用についても個人よりも法人の方が高くなります。

反対にデメリットとしては、青色申告特別控除の65万円が受けられないこと、経理処理が厳格化されることがあります。

Q14:既に会社を経営していますが、別の事業を開始したいと思っています。既存の会社でやるメリット、新しい法人を設立したやるメリットを教えてください。

A14:新しい会社でやるメリットは、上記と同じく消費税について2年間は免税事業者となります。また法人税についても800万円までの利益については、800万円超の利益に対する税率よりも低く設定されていますので、多額の利益が出ている会社にとっては、有効かと思います。
反対にデメリットとしては、2社をバランスよく運営するのは思ったより難しく、1社が黒字だけど、もう1社が赤字などのケースも出てきます。
結局、管理しきれず多額のコストをかけて合併などにならないように、慎重に検討する必要があります。

Q15:会社にお金がなくなった場合は、個人から会社にお金をいれても大丈夫でしょうか。

A15:会社に資金が足りなくなることは予測されることなので、個人からお金をいれても問題はございません。この場合は「役員借入金」などで処理され、特に利息を支払うなどの論点はありません。
反対に会社のお金を個人へ出金する場合は、「役員貸付金」として処理され、受取利息を計上しないといけません。
また「役員貸付金」は、決算書上良い勘定ではありませんので、銀行から指摘させることがあります。
会社のお金は、公私混同をさけて慎重に管理する必要があります。

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